部屋が整うと、頭もスッキリする?
脳科学から考える「きれいな部屋」の効果
仕事を終えて家に帰ったとき、きれいに整った部屋を見て
「なんだかホッとする」と感じた経験はないでしょうか。
反対に、テーブルの上に書類や郵便物が積み重なり、
床には洋服や荷物が置かれ、キッチンにも洗い物が残っている。
そんな状態を見るだけで、
「片づけなければ……」
「掃除もしないと……」
と、少し疲れた気持ちになることがあります。
もちろん、部屋が散らかっているからといって、
必ずしも心や脳に問題が起こるわけではありません。
また、人によって「快適」と感じる部屋の状態も異なります。
しかし近年の心理学や脳科学の研究を見ると、
私たちが日常的に目にしている「環境」は、
注意、記憶、ストレスなどと無関係ではないことがわかってきています。
今回は、記憶に深く関係する脳の「海馬」についても触れながら、
きれいな部屋、整った住環境が私たちにどのような影響を
与える可能性があるのかを考えてみたいと思います。
私たちの脳は、部屋の中の情報を受け取り続けている
私たちは、自分では意識していなくても、
目から非常に多くの情報を受け取っています。
テーブルの上に置かれた書類。
床に置かれたバッグ。
読みかけの本。
洗っていない食器。
ソファに置いたままの洋服。
一つひとつは小さなものでも、視界に多くの物が入ると、
それだけ脳が処理する情報も増えていきます。
研究分野では、このように視覚情報が多くなり、
必要なものを探したり注意を向けたりする際に負荷となる状態を
「visual clutter(視覚的な clutter=雑然さ)」として
研究することがあります。
視覚的な雑然さは、状況によっては
注意や視覚探索の効率に影響することが報告されています。
つまり、
「散らかった部屋を見ると、なんとなく落ち着かない」
という感覚は、単なる気分の問題だけではなく、
周囲にある大量の情報を脳が処理していることとも
関係している可能性があります。
「頭がスッキリする」は単なる気のせい?
部屋を片づけたあと、
「部屋だけでなく頭の中までスッキリした」
と感じる人は少なくありません。
もちろん、「部屋をきれいにすれば頭が良くなる」
という意味ではありません。
大切なのは、必要のない視覚情報が減ることで、
注意を向けたい対象に集中しやすい環境を作れる可能性があるという点です。
例えば、自宅で仕事をするとき。
机の上に仕事に必要なパソコンと資料だけが置かれている場合と、
郵便物、雑誌、食器、日用品、衣類などが入り混じっている場合では、
目から入ってくる情報量が大きく違います。
「これはあとで片づけなければ」
「この郵便物を確認していなかった」
「あれを買わないと」
といった別の考えが浮かべば、
目の前の作業から注意が外れることもあるでしょう。
そのため、部屋を整える意味は、
単に「見た目を美しくする」だけではありません。
必要なことに意識を向けやすい環境をつくる。
これも、住環境を整える大切な目的の一つではないでしょうか。
記憶を支える脳の「海馬」とは?
ここで、「海馬」について考えてみましょう。
海馬は脳の側頭葉の内側にある領域で、新しい記憶の形成や、
場所・状況に関する記憶などに重要な役割を果たしています。
私たちが、
「昨日どこへ行ったのか」
「鍵をどこに置いたのか」
「この場所には以前来たことがある」
といった経験を記憶する際にも、
海馬を含む脳のネットワークが関係しています。
また、海馬はストレスとの関係でもよく研究されている脳領域です。
長期間にわたる強いストレスは、
海馬に依存する記憶などに影響を及ぼす可能性があることが、
人や動物を対象とした研究から報告されています。
ただし、ここで注意したいことがあります。
「部屋をきれいにすると海馬が活性化する」
あるいは、
「掃除をすれば記憶力が上がる」
と単純に結論づけられるわけではありません。
現在の研究から、そこまで直接的な因果関係を説明することはできません。
しかし、
「住環境」
「ストレス」
「注意」
「記憶」
は、それぞれ完全に独立したものではないということは知っておいてもよいでしょう。
散らかった住環境とストレスの関係
住環境とストレスについて興味深い研究があります。
米国で行われた研究では、自宅を「散らかっている」「未完成の家事が多い」
といった言葉で表現する傾向の強かった女性では、
日中のコルチゾールの変化や気分に違いがみられました。
一方、自宅を「落ち着ける」「回復できる場所」
と表現する人には異なる傾向がみられました。
もちろん、これは「散らかった家が直接ストレスの原因になる」
と証明した研究ではありません。
生活環境だけでなく、仕事、家族関係、睡眠、経済状況など、
ストレスに影響する要素は数多くあります。
それでも、
自分の家をどのような場所として感じているか
ということが、日々の心理状態と無関係ではないという点は
興味深いところです。
本来、家は仕事や外出から戻り、身体と頭を休ませる場所です。
ところが帰宅した瞬間、
「洗濯しないと」
「床を掃除しないと」
「お風呂も掃除しないと」
「キッチンも片づけないと」
という「やるべきこと」が次々と目に入れば、
自宅にいても頭が仕事モードのままになってしまうことがあります。
「目に入る家事」は、頭の中のToDoリストになる
散らかった部屋が疲れる理由を考えるとき、
もう一つ重要なのが「未完了の家事」です。
シンクに残った食器を見れば、
「洗わなければ」
と思います。
床のホコリを見れば、
「掃除機をかけなければ」
と思います。
洗濯物を見れば、
「畳まなければ」
と思います。
つまり、部屋の中にあるものが、
そのまま頭の中のToDoリストになってしまうことがあります。
休日なのに休めない。
ソファに座っていても落ち着かない。
家に帰っても、まだ何かに追われている気がする。
こうした状態は、決して珍しいことではありません。
そこで大切になるのが、
「家に帰れば、ある程度整った状態になっている」
という環境です。
これは単なるぜいたくではなく、忙しい現代人にとって
「休むための環境づくり」と考えることもできます。
きれいな部屋とは「何もない部屋」ではありません
ここまで読むと、
「物をできるだけ減らしたほうが脳には良いの?」
と思われるかもしれません。
しかし、そう単純ではありません。
好きな本。
家族の写真。
お気に入りのインテリア。
旅行先で買った思い出の品。
植物や趣味の道具。
こうしたものまでなくす必要はありません。
重要なのは「物があるかどうか」ではなく、
自分にとって必要なものが、ある程度整理され、
生活しやすい状態になっているか
ということです。
「きれいな部屋」とは、
ホテルのように何も置かれていない部屋を意味するのではありません。
自分が必要なものを把握でき、必要なときに取り出せて、落ち着いて過ごせる。
そんな住環境こそ、日々の暮らしにとって大切なのではないでしょうか。
大切なのは「自分で掃除すること」ではなく「環境を整えること」
そして、ここでぜひ考えていただきたいことがあります。
部屋をきれいにするために、
すべての掃除を自分自身で行う必要があるのでしょうか。
仕事。
子育て。
介護。
買い物。
食事の準備。
洗濯。
人によって生活の状況は違いますが、
私たちが一日に使える時間は誰でも24時間です。
「部屋をきれいにしたい」
と思いながら、毎週何時間も掃除に追われ、
そのこと自体が負担になってしまっては、本末転倒かもしれません。
そこで一つの選択肢になるのが、家事代行サービスです。
床掃除。
水まわりの掃除。
ホコリ取り。
キッチンの清掃。
こうした定期的な家事を誰かに任せることで、
「自分で掃除する時間」を減らすだけでなく、
「きれいな状態が保たれた住環境」を手に入れる
ことができます。
これは家事代行サービスを考えるうえで、とても重要な視点だと思います。
家事代行は「掃除をしてもらうサービス」だけではない
家事代行サービスというと、
「掃除をする時間がない人が利用するもの」
というイメージを持たれることがあります。
しかし、もう少し広く考えてみてもよいのではないでしょうか。
家事代行によって生まれるものは、
単なる「掃除時間の削減」だけではありません。
帰宅したときに床がきれいになっている。
水まわりが清潔に保たれている。
ホコリがたまりにくい。
部屋を見渡したときに「掃除しなくちゃ」という気持ちにならない。
そうした日常が積み重なることで、
自宅を「やるべきことが残っている場所」から
「安心して休める場所」へ変えていく。
これも家事代行サービスが提供できる価値の一つです。
「時間を買う」から「心地よい環境をつくる」へ
これまで家事代行サービスは、
「家事の時間を節約するサービス」
として語られることが多くありました。
もちろん、それも大きなメリットです。
しかしこれからは、
「自分が心地よく過ごせる住環境を維持するためのサービス」
という考え方も重要になるのではないでしょうか。
人は毎日、住まいの中で多くの時間を過ごします。
だからこそ、
床がきれいであること。
水まわりが清潔であること。
物が必要以上に散乱していないこと。
「掃除しなければ」という課題が目の前に残り続けないこと。
こうした小さな環境の違いが、
毎日の暮らしや気持ちの余裕に影響していく可能性があります。
まとめ―部屋を整えることは、
自分の時間と頭の余白を整えること
「きれいな部屋は脳に良いのでしょうか?」
この質問に対して、
「部屋をきれいにすれば海馬が活性化し、記憶力が上がります」
と単純に答えることはできません。
脳は、それほど単純な仕組みではありません。
しかし研究からは、
視覚的に雑然とした環境が注意に影響する場合があることや、
ストレスが記憶や海馬の働きと深く関係していることがわかっています。
そう考えると、
住環境を整えることは、単に家をきれいに見せるためだけのものではない
と言えるでしょう。
仕事から帰ってきたときにホッとできる。
休日に家事のことばかり考えなくてよい。
自宅で仕事をするときに、目の前のことに集中しやすい。
そして、家にいる時間を「家事をこなす時間」ではなく、
「自分や家族のために使う時間」に変えていく。
そのために大切なのは、
掃除をすべて自分で行うことではありません。
大切なのは、自分が心地よく過ごせる環境を、
無理なく維持することです。
家事代行サービスを利用することも、そのための一つの方法です。
掃除を誰かに任せることで生まれるのは、
単なる「空いた時間」だけではありません。
整った部屋。
落ち着ける空間。
そして、頭の中の「やらなければ」を少し減らすこと。
家事代行サービスとは、もしかすると、
住まいだけではなく「暮らしの余白」を整えるサービスなのかもしれません。
アースブリッジが提供する家事代行サービス:
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